7月15日 Vol.2237 脱炭素型農業

昨日はGCOF17で、脱炭素型農業に関する戦略会議でした。
案件の詳細は記載できませんが、お陰様で、高度な科学を背景にした複数の実務が展開されています。
次回GCOF戦略会議(GCOF18)は8月25日(月)開催です。

我々が、冷房の効いた会議室で議論している間も、農業生産者の皆さんは、強烈な暑さや雨などと戦っています。
本当に頭が下がります。
農業生産者の方々が、この先々も、後継者も含めて、持続可能な経営をするためには、所得の向上が大前提です。
そのためには、収量アップ(収入アップ、単位当たりコスト軽減)と農外収入アップ(例えばJ-クレジット、バイオ炭販売収入)が必要です。

僕自身は、この3連休は岡山出張で、バイオ炭事業の打ち合わせです。
来週は福島出張で、こちらもバイオ炭事業の打ち合わせです。
福島では、日本最大級のバイオ炭プロジェクトに仕上がる可能性があります。
その翌週は静岡で、農業経営士会主催の講演会、及び農業生産者の皆さんとの打ち合わせです。
こちらも、複数の議題がありますが、大枠では脱炭素型農業の件です。
その翌週は熊本出張で、水俣市を中心に、脱炭素型農業のモデル事業構築に挑戦です。

このような現場実務と並行しながら、GVVCは、ISO14065取得に向けた準備も継続中です。
日本適合性認定協会(JAB)に申請書類の提出が終わり、いま審査を受けている最中です。
まだスケジュールは断定できませんが、おそらく数ヶ月以内にはISOを取得できるのではと考えています。
ISOを取得した暁には、農業J-クレジット審査、ボランタリークレジットコンサル&審査、及び上場企業が発行するCSRレポート検証業務を行う予定です。
このような業務は、農業分野に限って言えば、寡占状態にあるため、GVVCの担う社会的役割は非常に大きくなります。
現状のJ-クレジット等カーボンクレジット業界は、それらを扱う無資格のベンチャーが乱立しており、マーケットは口先先行で混乱状態にあります。
決して信頼性が高い状態には至っていません。
信頼性が低いので、カーボンクレジットの価格は上がっていきません。
マーケットの健全な整備が喫緊の課題になります。

また、カーボンクレジット拡大に伴って、MRVの重要性も高まっています。
MRVとは、Measurement(測定) Reporting(報告) Verification(検証)の略で、簡単に言うと実測重視ということです。
温室効果ガスの採取業務及び温室効果ガスの分析業務の重要性が高まっていますが、それらを商業サービスで展開する企業・団体は、他社にはほとんど見当たりません。
我々GVVCの寡占(独占?)状態です。

我々としては、脱炭素化に関する事業モデルは、ほぼ確立されつつあります。
しかし、我々のゴールは脱炭素化だけではありません。
脱炭素化と農業生産強靱化の両立が我々のゴールです。

例えば、田んぼ中干しとは、温室効果ガスのひとつメタンガス削減やJ-クレジットということで注目されていますが。
しかし、本来は中干しとは、コメの収量や品質をよくするために、江戸時代から普及してきた農法です。
中干しに限らず、我々のミッション(使命)は、脱炭素化と農業強靱化との両立です。
それを僕は「脱炭素型農業」と言っています。

脱炭素型農業のハードルは非常に高く、また僕自身甚だ力不足ではありますが、素晴らしい方々にご一緒いただいておりまので、必ずやり遂げられるものと考えています。