8月3日 Vol.2241 連日酷暑
猛烈な暑さが日本中を席巻しています。
もちろん日本だけではありませんが。
高温続きで、青森では出穂(稲穂がでること)が例年の10日程度も早いそうです。
稲穂は、高温下では、白濁化など、コメの品質劣化や収量減少となる可能性がありますから、とても危険な状態です。
それに加えて、各地で水不足も深刻です。
さらに、あまり言われていませんが、過剰な紫外線も懸念材料です。
紫外線は、人には、肌や目への悪影響や皮膚がんなどのリスクが認識されていますが。
植物にも、過剰な紫外線は危険で、光合成は主に可視光線で行われますが、紫外線が強すぎるとそれを阻害するリスクがあります。
酷暑は、高温障害と水不足の他に、過剰紫外線リスクもあります。
これらの他に、イネカメムシなど病害虫リスクも考えると、今年のコメの収量が大幅に減少しても不思議ではありません。
宮崎では、7月30日から、早場米の新米が発売されましたが、5kg4,731円(税込)と、昨年よりも大幅価格上昇です。
ここしばらく、農林水産大臣が、5kg2,000円とか、コメ相場を大幅に下げるとか、ずいぶん過剰なアピールをしてきましたが、最近はとんと音沙汰なしで、僕の予想通りほとんど意味をなさなかったのではないでしょうか。
いざという時の備蓄米が底をつきかけている現状で、もしこの秋のコメの収量が大幅減になったら、いったい日本はどうなるのでしょうか?
インドネシアでは、大きな火山噴火が続いています。
これは、来年再来年にわたった、日本に冷害を引き起こすリスクがあります。
1994年に、日本では平成のコメの大不況が生じましたが、それはインドネシアの火山噴火が原因でした。
来年再来年は、そのようなリスクもありますから、早期に備蓄米を穴埋めしておく必要があります。
いま各地では、JAのコメ概算金が1俵(60kg)あたり25,000円程度と言われています。
コメの小売価格はざっとその倍ですから、約50,000円。
5kgあたりとすると、50,000円÷60kg×5kg=4,166円。
また稲作では、メタンガス削減のために、中干期間延長の取組みが進んできました。
中干期間延長は大事なことですが、これだけ水不足になると、水管理に更なる細心の注意が必要になります。
もちろん中干期間延長の他にも、バイオ炭や微生物の活用など、田んぼや畑でのCO2削減方法はありますから、積極的に取り組みを継続しなければなりません。
アメリカの大統領が、また政治的に、CO2問題にも悪影響を及ぼしているようですが。
しかし、世界的にこれだけ暑く、また年々深刻化する暑さへの対策として、CO2を削減しなければいけないことは、科学的に明らかです。
CO2削減は、政治的駆け引きやマネーゲームのイシュー(問題)ではありません。
酷暑を背景に、農業者の栽培縮小・廃業・破綻などの話題も多くなっています。
農業が縮小すれば、食料の確保が困難になり、食料の価格は高騰し、そしてCO2削減にも貢献できなくなります。
つまり、絶対に農業の衰退を放置してはいけないのは明らかです。
とんでもなく暑い夏が、まだしばらく続きそうですが。
くれぐれも、寝不足・脱水症状・熱中症・脳梗塞にはお気をつけいただいたうえで、脱炭素型農業(農業の活性化と脱炭素化の両立)を推進していかなければなりません。
僕自身は、東京→青森→東京→高知→神戸→熊本→東京と、1週間の出張ロード中です。