8月20日 Vol.2246 やはりコメ価格は昨年以上
新潟・山形・青森などコメどころで、JAのコメ概算金が明らかになってきました。
銘柄等にもよりますが、概ね1俵(60kg)25,000~30,000円(昨年よりも70%以上アップ)。
Kg換算すると、約400円~500円。
小売価格は、ざっくり概算金の2倍程度になりますから、5kg袋で4,000円~5,000円。
事実、既に販売されている今年の新米は店頭で5kg4,000円超。
つまり、農水大臣はコメの価格を下げると喧伝してきましたが、実際は今年のコメ価格は昨年以上になる見込みです。
過去30年で、コメ価格の高騰で大騒ぎになったのは2度。
平成のコメ騒動と言われた1994年は1俵23,607円(作況指数74)、2003年は1俵22,296円(作況指数90)(全国米取引・価格センターさん調べ)。
つまり、過去30年間の2度のコメ騒動を飛び越えて、今年が圧倒的に高い価格となります。
そして、現状のコメ価格は、一過性ではなく、来年以降も急落することはないでしょう。
農水大臣は、今年は昨年より1割程度コメは増産見込だと、発表していましたが。
しかし、渇水(水不足)・水害・高温障害・ジャンボタニシ被害・イネカメムシ被害・ナガエツルノゲイトウ被害(外来植物)及び人手不足などで、実際には増産は簡単ではないということです。
来年以降も、取り巻く環境は同じ、場合によっては更に悪化するでしょうから、増産は難しいということです。
下手をすると、来年再来年は、既に発生しているインドネシアの大規模火山爆発による火山灰の影響で、冷害になるリスクもあります。
政治的には、半ば強引に、抜本的に、大規模圃場整備や畑かん(畑地かんがい整備事業)などの見直しをしなければなりません。
農業の生産コストに比して、不当に農作物価格が低く抑えられる時代が長らく続きました。
いびつなサプライチェーンが、ようやく神の見えざる手によって、生産コストに応じた再生産可能な販売価格に修正されてきました。
消費者にとっては、急激な価格上昇は大変なことでしょうが、農業という産業の視点から見れば当然のことであり、そもそも今までがおかしかったのだと理解してもらわなければなりません。
政治的には、生産者の戸別補償制度を、直ちに大胆に導入し、消費者対策も行うことも選択肢かとは思います。
僕はかつて、東日本大震災直後の2011年に、講談社さんからの依頼を受けて、「りんご一つにあと20円多く払えば、東北の農業は復興できる」という本を出しました。
それは、当時小売価格約100円のリンゴをはじめとした農作物を、あと20円つまり20%程度、適正なインフレ傾向に移行すれば、農業経営にも消費者にも適正な産業構造になるという趣旨でした。
そうしなければ、農作物は極端に価格を低く抑えられたままで、農家の廃業や経営破綻は増え、結果として消費者への小売価格は2倍にも3倍にも急騰していく、つまり食料インフレが発生するという内容でした。
結果として、僕が予想した通りになりました。
繰り返し述べてきましたが、いまやるべきことは、脱炭素型農業の強化です。
脱炭素型農業とは、農業強靱化(生産量拡大)と脱炭素化(温室効果ガス削減)の両立です。
どちらか一方ではなく両立です。
脱炭素化は、ネイチャーポジティブとも表裏一体です。
そこには、大きな社会的意義とビジネスチャンスがあります。
具体的各論は、メルマガバックナンバーに何度も記載していますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。
今日も異様な暑さが続いています。
もし脱炭素型農業が進まなければ、地球の未来は・・・。