9月1日 Vol.2248 コメに関する私見
もう9月ですかと、驚きを禁じえない感覚です。
こないだ田植えかと思ったら、もう新米のシーズンです。
長引くコメ問題は、収束するどころか、ますます混迷を極めています。
世間が騒ぎすぎで、事態を必要以上にややこしくしています。
まず、最も基本的なことは、農水省が、正しく実態を示すデータを公表してもらいたいと思います。
農水大臣は、これまでコメの指標であった「作況指数」を廃止すると発表しました。
昨年2024年、作況指数102と発表しながら、現場の実態に合わないと批判が相次いだからです。
コメがあるのになぜ価格が異常高騰しているのか?コメは実際には足りないのでは?作況指数の基準は?・・・、生産者・流通業者・消費者などからそんな声があがりました。
統計は、国家運営をするにあたって、極めて重要なものです。
その根幹が揺らいでは、建設的な戦略戦術を導き出すことは困難です。
今年2025年は、作況指数に代わる新しい指標を発表しました。
しかしいまのところ、残念な結果です。
これがまた基準が曖昧でよくわかりません。
農水省が、各自治体にヒアリングをした結果、生産量は例年以上という回答が多いから、コメの生産量は平年並み以上だと発表したようですが。
今年も、干ばつ・水害・高温障害・カメムシ被害など、様々な問題があったのに、本当に全国的に平年並み以上の生産量なのか?
結局、昨年の作況指数の発表と同類項なのでは?
まずは、その発表の基準を明らかにしてもらいたいと思います。
作況指数と同様に、メッシュ法のマジックを使っていないのか?
一等米・二等米・三等米の基準見直しも話題になっていたが、そのあたりはどうなっているのか?
統計は、全量調査は不可能なので、サンプリング調査になるが、そのサンプリング母集団の採用の仕方や母数(サンプリング数)は、どのようになっているのか?
サンプリングは、無作為に、一定多数の母数の採用が前提になるが、そのようになっているのか?
作為的に、わずかの坪刈りで判断していないか?
これから、稲刈り後に、白濁米や未熟果や一等米比率低下などが明らかになるのに、それらが今回の発表に反映されているのか?
そもそも、コメ価格を意図的に安値誘導するために、コメは充分あると無理矢理発表しているのでは?
そもそも、平年並み以上の生産量であれば、なぜ極端に価格は上昇しているのか?
今年2025年のJA概算金は、昨年比5~7割も急激に上がっている理由は?
世間ではJA批判も多いが、生産現場の近くにいるJAが、厳しい生産の実態を一番よくわかっているからでは?
正確な統計がないので、以下は僕の個人的な予測だが。
2025年産新米の量は、少なくとも平年並には及ばない。
コメは需給バランスで考えると足りない。
よって、今年のコメの小売価格は5kg4,000~5,000円と高値で推移する。
この価格は消費者には厳しいが、農業者の採算確保及び国内農業の持続性を考えれば概ね妥当。
来年は、種籾不足や環境問題など諸点を鑑みると、極端なコメ増産は困難。
来年以降も、コメの需給はタイトで、価格水準は下がらない。
むしろ中長期的には、まだまだコメ(国産、新米)の価格は上昇していく。
あくまでも、現状のような自然環境や農業政策が続いた場合での、僕の個人的な予想ですが。
僕の予想が外れるよう、劇的に自然環境や農業政策の転換がなされると良いのですが。