9月7日 Vol.2251 台風15号

先週日本を縦断した、台風15号。
また各地に多くの傷跡を残しました。
被害に遭われました方々には、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧・復興を、心よりお祈り申し上げます。

僕も日頃大変お世話になっている、静岡県牧之原市も、大変な状況になっています。
5日(金)に、竜巻・突風と大雨が襲いかかりました。
トラックの横転や建物の倒壊などが、ニュースでも報道されましたが。
約300のビニールハウスも倒壊したと言われています。
ハウスの中などに、浸水被害がでているところもあります。
5日から停電になり、いま現在(7日、朝)まだ停電が続いています。
この暑さの中、冷房やお風呂も使えませんから、二次被害も心配です。
停電のため、農作物の集出荷作業もままならない状態です。
牧之原は、お茶の生産をはじめとした大きな農業地帯です。

このような事態が各地で生じる度に、農業は縮小し、また地方経済は後退します。
ただでさえ、農業や地方は、難しい局面に直面しているというのに。
とにかく直ちに徹底して、復旧・復興を進めなければなりません。
ただ修復するのではなく、災い転じて、次世代型農業や次世代型地方経済を構築する契機にしなければなりません。

このような自然災害も、地球温暖化が大きな要因です。
大気温が上昇し、海水温が上昇し、水蒸気や積乱雲が拡大し、それが大雨や突風につながっています。
その根本にあるのが、CO2濃度の急上昇です。
いまから150年前の産業革命までは、およそ280ppmで安定していたCO2濃度が、いまや50%以上も上昇し、400pmを超えています。
地球全体が、巨大なビニールハウスに包み込まれている感じです。

CO2削減分野は、これまでの研究ステージから、実務ステージに移行しつつあります。
日本も遅まきながら、来年2026年からCO2対策の義務化などが導入されます。
そのCO2削減実務を担う可能性がある産業のひとつが農業です。

自然災害で農業が縮小すれば、ますます地球温暖化を加速することにもなりかねません。
繰り返しで恐縮ですが、CO2削減と食料生産という人類に不可欠な意義を有する農業の強化が、国民的で世界的な重要課題です。
他産業や政治ゲームにばかり気をとられて、農業の縮小を放置している場合ではありません。