12月7日 Vol.2261 有識者の御意見

この数日も、多くの農業業界の有識者の方々と、意見交換が続きました。
とても大事な御意見がたくさんありました。
ついては、それらを、五月雨的ではありますが、箇条書きでご紹介したいと思います。
各御意見の是非の判断は、皆さんが独自でなさってください。
必ずしも、すべてが僕と同意見というわけではありませんが、しかし大事な御意見としてご紹介します。

  1. 年明けにはコメ価格は暴落する。
  2. 2025年だけを見れば、コメ生産者は一定の利益確保につながったケースが多いが、過去30年のコメ相場低迷及び逆ざや(赤字経営)を考えれば、今年のことは一過性で、コメ農家の減少に歯止めはかからない。
  3. 米国産はじめ輸入米が急拡大しており、とりわけ外食産業での取り扱いシェアは急拡大している。これまで国産米をうたった外食企業が、軒並み輸入米に転換している。
  4. 消費者は、外食・中食で輸入米が使われていても、ほとんど気にしない(わからない)。
  5. 国産米離れが急速に進んでいる。価格が暴落されば、また状況は変わるかもしれないが。
  6. 結果として、国産米の在庫が200万t~300万tレベルで積み上がる可能性があり、これは2026年以降に大きな足かせになる。(国内で1年間のコメ生産量は700万t内外ですから、過大な在庫水準)
  7. 来年2026年秋の新米は、この数年の価格暴騰以前の相場1俵12,000~15,000円よりも更に下がる可能性があるかもしれない。もしそうなったら、ただでさえ減少傾向の農家数は、一気に底割れして急減する。
  8. 国内農業者数は現在100万人強だが、あと5年程度で、半分の50万人程度になる可能性が高い。
  9. 農業者が50万人に激減し、また円安や輸入食品価格高騰を背景に考えると、国内の食料インフレはまだまだ悪化し、まだまだ食料価格は上がる。
  10. とりわけ、畜産事業者は、従来通りのやり方では、経営維持は困難で、抜本的な経営構造改革が必要。畜舎リニュアルなどの先行投資は、従来の3倍以上の見積もりに高騰している。また餌代はじめランニングコストも高値推移で改善の見通しが立たない。
  11. 一部には儲かっている農業法人も出てきているが、それらだけで、国内農業の維持拡大は困難。その代償は、国民全体が負担することになる。
  12. これまで、廃業・破綻の農家が増えると、元気な地域農業者が農地を引き継いで規模拡大してきたが、もはや人手不足とコストアップで、それも困難となり、これまで経営規模を拡大してきた元気な農業法人も規模を縮小する可能性がある(既に一部はそのようになっている)。つまり農家数が減っても大規模農家が増えて日本中をカバーできるという評論家の意見は誤っている。
  13. 地方の人口減少や人材不足はますます深刻。円安を背景に外国人の労働力も減少傾向にある。
  14. 水面下で農業法人のM&Aが急拡大している。実は既に企業の傘下になっているケースが散見される、もちろんそれが悪いという意味ではない。
  15. 日本の農地が、事実上中国人をはじめとした外国人に支配されているケースが増えており、これも食料安全保障としては懸念材料。
  16. 日本の農業や食料安全保障は、かなり危機的状況にあるが、政治家も国民もその危機感を理解していない。
  17. バイオ炭が農業の脱炭素化分野では注目度が高いが、炭化炉の整備がまだまだ進んでいないので、本当にバイオ炭が普及拡大するのかはわからない。
  18. 2026年以降、J-クレジット他カーボンクレジットが拡大する可能性が高いが、その前提条件はクレジットの信頼性を高めること。現状の取組だけでは、まだクレジットの不透明感がある。

上記に関して、様々な御意見もあるかとは思いますが。
しかし議論は不要ですから、是非皆さんの独自のご判断で、皆さんの実務に生かしていただければ幸いです。
間違いなく言えることは、いまは乱世です。
乱世は、不安定でリスクが多々ありますが、チャンスも多々あります。