1月9日 Vol.2264 2026年は脱炭素化元年

今年2026年は、農業の強化と脱炭素化の両立が進んでいく見通しであり、またそうしなくてはいけないと、僕のメルマガで何度か記載してきました。
農業に限らず、日本全体の脱炭素化が、これまでの手探りで準備段階から、本格的な実務段階を迎えようとしています。
元旦の日刊工業新聞には、「脱炭素実現と経済成長の両立始まる転換点に2026年がなる理由」、という記事がありました。

日本政府が進めるグリーントランスフォーメーション排出量取引制度「GX-ETS」(Green Transformation-Emissions Trading System)は、企業が自主的にCO₂削減目標を設定し、排出枠を取引することで、脱炭素化と経済成長の両立を目指す仕組みです。
2023年から試行段階が始まり、2026年度から一部企業の参加が義務化され、制度が本格稼働します。
参加企業は、目標達成のため排出量削減に取り組むか、他の企業から排出枠を購入(J-クレジット等)して不足分を補うことになります。

以下日刊工業新聞記事より、一部を抜粋して転載します。
直近3年間の二酸化炭素(CO2)排出量の平均が10万トン以上の300-400社が参加を義務付けられ、企業には排出削減が促される。
GHG削減価値を持つカーボンクレジットの取引も盛り上がりそうだ。
GX‐ETS参加企業は、カーボンクレジットを使って排出量を減らすこともできるからだ。
現状では政府が管理する「J‐クレジット」が利用可能となっている。
J‐クレジット制度運営事務局によると、J‐クレジットを創出する事業の新規登録は年100件以下で推移していたが、23年度は130件、24年度は149件と増加した。
GX‐ETSの始動によってJ‐クレジットの売買が活発になると見越し、創出事業が増えているようだ。
東京証券取引所が23年10月に開設したカーボン・クレジット市場でのJ‐クレジットの累計売買高が25年9月に100万トンを超えた。
1日平均2,153トンの売買となっている。
直近の取引価格はCO21トン当たり5,000円台なので、単純計算する1日の取引規模は1,000万円台。
GX‐ETSが機能すれば、J‐クレジット取引を通じて森林整備や再生エネ、設備更新にも資金が供給され、脱炭素市場が盛り上がる。
政府は、高コストが購入の妨げとなっている脱炭素製品の普及を支援する政策を打ち出す。
26年は、脱炭素の実現と経済成長の両立が始まる転換点の年となる。
「脱炭素と経済成長の両立」が叫ばれてきたが、脱炭素に貢献する製品は高コストとなるため購入がためらわれ、企業の成長につながっているとは言い切れなかった。
「高くて売れない」状況を変えようと経済産業省は26年度、電気自動車やグリーン鉄、グリーンケミカル、水素、合成メタンなどを「GX製品・サービス」とし、積極的に調達する企業への優遇策を検討する。
GX製品・サービスの市場を生み出す狙いだ。
環境省も「脱炭素製品」を認定し、市場での差別化につなげる「ラベル制度」の導入を検討する。
26年度に制度設計を終える予定だ。
脱炭素製品の普及では欧米や中国に後れをとってきた。
ニッセイアセットマネジメントの大関洋社長は「国内需要を喚起し、生産量を確保してコストを下げることで国際競争力が高まる。脱炭素を産業政策として強力に推進してほしい」と語る。
政府による普及策が整いつつあり、26年は脱炭素製品が普及フェーズに入りそうだ。
企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の山下良則代表理事(リコー会長)は「(脱炭素への)国民の理解も欠かせない。
“自分ごと”と言うのは簡単だが、社会全体で共有するは難しい」と指摘する。
企業の脱炭素への取り組みを消費者からも支持してもらえる機運づくりも課題として残るが、26年は脱炭素市場の創出に向けて前進する年となりそうだ。