3月10日 Vol.2275 昨今の農業を取り巻く状況

今年も農業を取り巻く環境は激動を続けています。
この時期に、関東で雪が降るとは。
先日まで日本中で20度以上になっていたかと思いきや、今日は各地で10度以下です。

先日までは、水不足が大問題でしたが。
急に寒さが各地を襲っています。
霜害(しも)も農業には大問題です。

先日までは、3月には、コメ相場が暴落するという予想が飛び交っていましたが。
しかし、スーパーの店頭では、依然として2㎏2,000円前後、つまり1㎏1,000円前後と高値推移です。
イラン問題は、世界中の原油や天然ガスの高騰を招いています。
稲作では、農機を動かすための化石燃料や、また化石燃料由来の化学肥料が、いずれも価格高騰しています。
先日までは、この秋のコメ概算金は、昨年の30,000円超から20,000円前後に急落すると見込まれていましたが、イラン問題以降は、一気に様相が変わってきました。
もしこの秋の概算金が、昨年レベル30,000円超の見込みとなれば、暴落が見込まれていたコメ価格は、このまま高止まりすることになるでしょう。
コメ生産コストが大幅上昇し、農家はなかなか利益を確保できず、消費者は高いコメを買わざるをえず、結果として消費者のコメ離れが進み、また農業の衰退が加速するという、最悪のシナリオになる可能性があります。

いまがシーズンのイチゴやトマトなどのハウス栽培も、重油ボイラーで加温することが一般的ですが、もはやその重油代を払うこともままならなくなっています。
重油ボイラーをバイオマスボイラーへ転換する必要があります。
あるいは、栃木のウォーターカーテン方式のように、化石燃料に依存しない農法の開発や普及も重要です。

畜産においても、畜糞処理問題が改めて大きな課題になっています。
畜糞処理方法は、たい肥化が一般的ですが、実はたい肥は多くの地域で余っています。
また牛糞処理では、バイオガス発電が注目されてきましたが、実際には消化液という副産物が多すぎて苦戦しています。
消化液は、本来は肥料効果があるものですが、あまりにも発生量が多すぎて、畑に入れすぎてはカリ過剰を招いてしまいます。
これらをカバーするために、やはり畜糞のバイオ炭化を進めなければなりません。

農業とは異なりますが、漁業も大変です。
船は、水の抵抗が大きく燃費が悪いので、燃料負担コストが非常に大きいのが特徴です。
海産物の価格も高騰することになるでしょう。

ただ、少し視点を変えてみると。
例えば、これまで活況を呈していた中古車市場において、価格が安くなると思います。
これだけガソリンが高くなると言われれば、さすがに中古車を買う人もしばらくは二の足を踏むことになるでしょう。
おそらく、ここからしばらくは、中古車は買い時かもしれません。
厳しい環境下だからこそ、逆にいろんなチャンスも生まれるはずです。
厳しくてもなんでも、好むと好まざるとに限らず、まずは現実を理解し、そのうえでよく考えて戦略的に取り組んでいく必要があります。

1970年代の2度のオイルショックも、1985年のプラザ合意による急激な円高も、日本は絶体絶命と言われましたが、結果はそれをテコに大きな飛躍を遂げました。
この度のイラン問題も、未曽有の危機と認識し、そのうえで本気の取り組みをどこまでできるかです。