1月3日 Vol.2263 謹賀新年

明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
心より御礼申し上げます。
本年も何卒よろしくお願い申しあげます。

今年2026年も、様々な不確実性のある、緊張感の高い年になりそうです。
僕自身の年末年始は例年通り、三重県の伊勢神宮への御礼参りで始まりました。
課題山積ではあるものの、なんとかここまでやってきたことへの感謝の気持ちからのスタートです。

年々深刻化する地球沸騰化は、今年も避けては通れません。
気温と水温の高温化はもはや常態化しています。
それに伴って、水不足やゲリラ豪雨・台風による水害など、気象変動リスクが高まっています。
日本の国土の7割を占める山林は荒れ、竹による浸食も進み、土砂災害が増え、また熊に限らず行き場を失った獣類は農業や人間社会に大きな影響を及ぼしています。
昨年はあまりにも暑すぎた結果、災い転じて、心配されたカメムシや蚊は意外に少なかったとはいうものの、いずれにしろ病害虫リスクも予断を許しません。

昨年までのコメ騒動は、この新春がかなり心配です。
過剰在庫になっているという現状を鑑みると、相場の調整が進むことは間違いないでしょう。
山高ければ谷深し、これが相場の格言ですが、極端な暴落にならなければ良いのですが。
マスコミによる過剰な煽りも気になるのですが。
いずれにしろ、生産から流通まで含めて、コメ業界の再編成は進むでしょう。

一方で、実はコメよりも相場が暴騰しているのはお茶です。
お茶は、コメと違って、在庫も足りませんから、高値推移はある程度維持されるかもしれません。
もちろん、多少の揺り戻しや調整はあるでしょうが。
抹茶ばかりが注目(報道)されていますが、我々の日常生活にもっと必要な煎茶も足りません。

青果物(野菜・果物)も、基本的に流通量が足りませんので、価格は高値推移でしょう。
もちろん、時に瞬間的供給過剰で値下がりすることもあるでしょうが。
かつてのように、構造的モノ余り時代は終わりました。
野菜の平均価格が1kg200円というあり得ない低迷が長年続きましたが、ようやくそのような状況から脱却しました。
国産及び輸入品も含めて、安いモノが余っているという状況は終わったのですから、国内生産者にはチャンスです。
流通事業者による、農業生産者の囲い込みや資本提携も進んでいます。
生産者が、流通事業者や異業種と、どのように提携するかも大きなポイントです。

畜産物も、高い輸入飼料の高騰をはじめとした生産コストの上昇で、安くなる見通しがありません。
卵は物価の優等生と、天に唾するようなことを言ってはダメだと僕は言い続けてきましたが、やはりそのしっぺ返しがきたようです。
僕は全国出張の各地で、ご当地立ち食いそばを食べるのが楽しみで、栄養バランスも考えて卵をトッピングするのですが、昨年末に旭川の立ち食い蕎麦屋では卵1個のトッピングが120円で驚きました。
世界的にも、タンパク質不足社会が見込まれていますが。
普通に言えば、畜産業界を取り巻く環境は大変厳しいのですが、しかしたんぱく質の重要性は世界的にますます高まっています。
国内畜産業界の衰退を放置しては、国民の健康や社会を維持できません。
貧栄養に喘いだ戦後の日本国民を救って、昭和の高度成長を促したのは、卵や牛乳や肉など、畜産業界です。

また、花卉業界も、かなり厳しい状況になっています。
昨今は食料インフレで、花を買うほど余裕が無いという声も挙がっていますが。
しかし来年2027年には、横浜で「GREEN EXPO」(花博)が開催されるため、その大きなイベントに向けて、今年は花卉業界の活性化が進むでしょう。
僕自身は花卉業界ともご縁が深く、個人的には、とりわけ鉢物のCO2削減が大きなテーマです。
鉢物は、長続きし、心に潤いを与え、そしてCO2を吸収してくれます。
僕の事務所の観葉植物は、15年以上も元気に頑張ってくれています。
日本人が、花卉を大切にする心の余裕も無いなどという寂しい状況に陥ることのないように。
各家庭に数鉢、各会社に数十鉢の観葉植物を置くだけで、日本の社会は大いに豊かになり、かつCO2削減にもつながり、結果として花卉業界も盛り上がっていくことでしょう。

農業業界全般で、品目・カテゴリーに関わらず、重要なキーワードは、「Survivor Benefit(残存者利益)」です。
プレイヤーや流通量が減っている以上、残った者には、チャンスが集中します。
流通量が減り、単価が上がるのですから、残ったプレイヤーには利益をもたらします。
そしてそのようなプレイヤーが、業界の再編成をリードし、未来を切り拓いていくことでしょう。

CO2削減対策は、いよいよ今年から義務化(強化)されます。
CO2排出量年間10万t以上の会社には、CO2削減不足分を埋め合わせるため、カーボンクレジット(J‐クレジット)の購入が義務化されます。
農業業界としては、田んぼ中干期間延長・バイオ炭・畜糞処理方法の変更等を中心に、カーボンクレジットを創出していくことが、農業の発展及び社会への貢献につながっていきます。
J-クレジットはもちろんですが、ボランタリークレジットも広がっていくことを期待しています。
もちろん僕自身も、その一翼を担うつもりです。

今年は午年(うまどし)です。
馬にちなんだ故事は、「万事塞翁が馬」・「馬耳東風」・「馬の耳に念仏」と様々ありますが。
これら故事のいずれにも共通することは、環境・他人・諸事に振り回されることなく、自我をしっかり持つということです。
乱世が予想される今年2026年ではありますが、だからこそ自我をしっかりもって、自身の王道を貫くということが大事かと考えています。

皆さんのご健勝を心よりお祈り申し上げております。