3月20日 Vol.2278 自給力

不安定な天候が続いています。
今日の東京は最高気温が10度と、急に寒くなっています。

農業を取り巻く環境は、ますます混とんとしています。
ついこの前まで盛んに報道されたことが、めっきり報道されなくなりましたが、事態が収束したわけではありません。
記録的大雪、記録的水不足、コメ相場の高値推移、円安進行など、一部では解消されたところもあるでしょうが、総じてまだまだ尾を引いています。
そこに今度は中東問題です。
もちろん、今後まだまだ不測の気候変動も生じることでしょう。
今年の農業も、相当に高い緊張感をもって取り組まなければ、産業基盤が底割れしてしまいます。

青森など、記録的大雪に見舞われた地域は、りんごなど果樹における枝折れ被害が深刻です。
枝が折れれば収穫量は減少します。
再生するまでに、数年を要しします。

水不足は、まだまだ各地で深刻で、田植えなど農業にはかなりのリスクファクターです。
もちろん、今後のことは予測不能ですが、いずれにしろ要注意であることに変わりありません。
日本も世界も、干ばつ傾向にあります。
田んぼでは、温室効果ガスのひとつメタンガスを削減する方法論として、中干期間延長がありますが、水不足の影響で躊躇する方が増えているようです。
ただ、中干期間延長は、途中で立ち止まることが可能で、また事前に手間やコスト負担があるわけではないので、これまで実施予定の方々は、当面は実施する方向でよろしいのではないでしょうか。

コメ相場は、一部では、価格が下がったという報道もありますが。
しかし、スーパーの店頭で見る限り、一部の特売(安値)はあるものの、総じてまだまだ高い印象です。
ただ、先日の農水省発表によると、コメの在庫が270万tと、例年よりもおよそ100万tも多いということで、普通に考えれば価格下げ圧力が働きます。
今年のコメ生産量見通しは732万tと言われていますので、その約37%もの在庫ですから、とんでもない在庫量です。
一方で、中東問題は、燃料・農薬・肥料・運賃・資材等様々な生産コスト上昇につながることから、こちらは価格上昇圧力です。
昨年からのコメ小売価格5㎏ 5,000円(1,000円/㎏)では、コメ離れが進むのが明らかになってきたので、このままではコメ市場は縮小均衡になります。
にもかかわらず、昨年はコメ不足だと輸入米が増えました。
不確かな情報が飛び交い、また情報公開が遅すぎて、マーケットが混乱しています。

その他、野菜・花卉・畜産に関しても、上記と同様に、難しい環境に陥っています。
農業への逆風が続いています。
逆風が続くと、担い手(農業就業人口)が更に減少していきます。

非常に難しい局面ではありますが。
日本が昨今の中東問題に大きく振り回されるのは、エネルギー安全保障(自給力)がぜい弱だからです。
食料安全保障(自給力)も、このまま崩壊しては、日本の国民生活は貧しくなるばかりです。
食料自給力のこれ以上の弱体化を、放置するわけにはいきません。

農業生産の強化とそれに伴ったCO2の削減は、日本にとって極めて重要な課題であり、それは相応のマーケットとしてビジネスチャンスも大いに期待されています。
世界に勝るとも劣らない、素晴らしい国内農業が、産業として衰退することなどあり得ません。
CO2吸収型で最も期待されている産業は農業です。