5月5日 Vol.2288 国内畜産業界
今日報道された、中央酪農会議のまとめによると。
2025年度末の酪農家戸数が、前年比500戸減の9251戸だったそうです。
飼料代など生産コストの高騰や後継者不足が響いたと言われています。
毎年毎年、酪農家数はどんどん減少しています。
そしてこのようなトレンドは、酪農(乳牛)だけではなく、国内畜産業界全般に言えることです。
更に言えば、国内農業業界全般に共通する傾向です。
国内の畜産業界は、牛・豚・鶏の多くを、日本国内で生産しています。
しかしその飼料(エサ)は9割方輸入のため、結局海外の動向に大きく影響を受けます。
国内畜産業界の生産原価は、飼料代がざっくり50%以上です。
輸入飼料は、アメリカ産トウモロコシが中心です。
アメリカにおいてトウモロコシ生産で使われる肥料の多くも、中東から輸入されています。
今般の中東問題で、それらの価格も急騰しています。
つまり米国産トウモロコシの価格も、その輸送費も、今後まだまだ上昇する可能性大ということです。
既に輸入飼料価格は高すぎると、ずっと言われ続けているのに、これ以上まだ上がっては・・・。
ついでに言えば、円安も、先般の介入で少々戻したというものの、155円内外と、歴史的に見ればかなりの円安が定着してしまっています。
このままでは、国産畜産物は、まだまだ価格が上昇していくことでしょう。
それでも生産者は赤字体質です。
そして国内畜産事業者の数はまだまだ減っていきます。
並行して、海外畜産物の価格も上昇しています。
生産者も消費者も、国内も海外も、ほとんど誰も得をしていません。
しかしどう考えても、国内畜産業界は非常に重要な分野です。
タンパク質不足や栄養バランス、及び食の安全安心は、喫緊の課題です。
ただでさえ、様々な分野で海外依存度が高い日本の危機が露呈していますが、畜産物もこれ以上海外に依存するのはとても危険なことです。
国内畜産業界には、畜糞処理という深刻な課題があります。
これらは、非常に大きなコスト負担があり、またコストのみならず環境問題も、畜産業界の重荷になっています。
しかし畜糞をバイオ炭化して、土壌改良材や燃料として農業分野他で有効活用できれば、国内畜産業界の採算は好転し、またCO2削減につながります。
これは、僕自身にとっても極めて重要なテーマです。
先月も、僕の関係先の静岡の畜産事業者が、畜糞を炭化するための炭化炉を導入しました。
米国では、AI(人口知能)が急速に普及拡大していますが、その拡大に伴って、いわゆるブルーカラーの存在感が高まり、ブルーカラーの収入が大幅アップしていると言われています。
AIに置き換えられる分野と、やはり人間の労働力を必要とする分野が、明確に峻別されてきています。
畜産を含めた農業業界は、部分的にAIを活用することはあっても、主役は人間です。
良い意味で労働集約的側面の強い産業です。
農業者には、大きな社会的存在価値があり、総じてAIに置き換えられることはないでしょう。
結論を言えば、日本が迎えている社会構造の変革は、畜産を含む農業業界をますます必要としています。
しかし、それらが明らかに移行する前に、農業業界が崩壊してしまうかもしれないという危機に直面しています。
いま農業が崩壊しては、元も子もありません。
だからこそ、先行投資は必要となりますが、農業への経営資源の投入が不可避です。

