6月17日 Vol.2292 「エルニーニョ、利上げ、・・・」
この数週間、国内では目立った自然災害はなく、比較的落ち着いているような印象もありますが。
しかし気象の専門家によると、気象は短期的には様々な例外が発生するので、目先の状況で本質を見誤ってはいけないということです。
言うまでもなく、地球温暖化(沸騰化)が改善したわけでもなんでもありません。
引き続き、粘り強く、地道に、長期的に、脱炭素化に取り組んでいかなければなりません。
以下、ロイターの記事の転載です。
オーストラリア気象局は16日、熱帯太平洋でエルニーニョ現象が発生したと発表し、過去70年間で最強クラスになる可能性があると指摘した。
米大陸では豪雨、アジアは高温で乾燥した天候が予想される。
アジアではすでに農作物の作付けに支障が出ており、食料供給に対する懸念が高まっている。
豪気象局は、海面の水温がエルニーニョ現象の基準値を超え、大気に関する各種指標も同現象と整合しているとした。
「中部熱帯太平洋の海水温上昇を踏まえると、強い、もしくは非常に強いエルニーニョ現象になると予測される」と説明。
「半数程度のモデルは、今回の現象が1950年以降で最も強いものになる可能性を示している」と続けた。
エルニーニョ現象は太平洋中部・東部の海面水温が周期的に上昇する現象。
特にオーストラリアの東岸で、冬から春にかけて降水量が減少し、南部で日中の気温が上昇する傾向がある。
オーストラリアは世界有数の小麦・砂糖・牛肉の輸出国で、エルニーニョ現象は同国の農業生産に大きな打撃を与える恐れがある。
もちろん、エルニーニョの動向は、日本にも甚大な影響を及ぼす可能性があります。
緊張感をもって、準備・対策を進めておくことが必要です。
話し変わって、昨日、日銀は政策金利の引き上げを発表しました。
従来からのマクロ経済視点で言えば、過熱する物価高騰と円安を抑えるためという理屈でしょうが。
しかし、コストアップ型で輸入物価高騰を背景にした国内物価高騰には歯止めはかからないでしょう。
マネーゲーム型金融市場の猛威が奮う中、本質的に円安の改善には至らないでしょう。
むしろ、これでますます日本の二極化が進み、日本経済の多くを支える中小企業や、中所得者以下には、大きな打撃になるでしょう。
国内企業336万社のうち99%以上が中小企業であり、日本企業に勤務する人たちの約70%が中小企業で働いています。
日本のGDPの約6割は個人消費で、一部の大企業や大企業従業員だけで、日本の経済が動いているわけではありません。
経済は複雑怪奇な生き物で、なかなか判断が難しいのは事実ですが。
しかしその中で、食料問題を軽視してはいけないのは、絶対的な条件です。
農業政策の視点から言えば、今回の利上げは、マイナスの影響が大きいでしょう。
毎年毎年、国内農業者の高齢化や引退は進み、気候変動も深刻化しており、国内農業自給力は後退しています。
この2~3年、異常な価格高騰が続いたコメも、今年の農家手取りは1俵2万円程度と急降下の見込みです。
いま過熱中のお茶相場も、中国が大増産を図って、既に世界の抹茶市場の7割は中国産と言われており、この先は厳しくなっていくでしょう。
畜産におけるエサ代の高止まりは、とうに危険水域を飛び越えています。
果樹は、桃栗3年柿8年と昔から言われるように、少なくとも定植してから3~5年程度は収入の安定が見込めず先行投資期間が長く、また労働負担も大きく、リンゴやミカンをはじめ果樹栽培面積の減少が顕著です。
海外でも、干ばつをはじめとした気候変動問題や紛争等政治問題、さらには円安で、国内での輸入農作物価格高騰が続いており、今後も改善の期待薄です。
焼き肉屋や居酒屋は、一見繁盛しているように見えますが、大幅コストアップで経営はひっ迫しています。
食料自給率(力)がぜい弱な日本の真の姿が、明らかになってきました。
非常に難しい環境ですが、だからこそ一方では、頑張っている農業者には収益をもたらしています。
脱炭素型農業の強化は、農業者の収益改善、消費者の生活改善、更には地球環境の改善など、極めて重要な社会的価値に貢献します。
脱炭素型農業の強化は、ビジネスチャンスと社会的意義を両立させます。
個々の農業者でみれば、儲かっている農業者は増えているはずです。
しかし、産業としての農業は、衰退の一途です。
僕自身は、明後日から、また熊本(阿蘇)→熊本(水俣)→岡山→島根→新潟→静岡と出張が続きます。
甚だ微力ながら、粘り強く、精いっぱいの努力を続けるのみです。

