9月2日 Vol.2249 時代の転換点

まだまだ暑い日が続きます。
今日も、各地で熱中症アラートが出ていますので、くれぐれもお気をつけください。
40度に迫る地域も多々あるようです。

気象庁の発表によると、今年の夏は、観測史上最も暑い夏だったそうです。
この3年間、毎年同じようなフレーズを聞いています。
いま地球が非常事態宣言中であることを認めなくてはいけません。

酷暑は農業生産にも極めて深刻な影響を与えます。
食料確保が、人類存続の最低限の条件であることは言うまでもありません。
いま世界の人口は急拡大中で、既に食料危機に突入したと言われています。
それに、この酷暑が拍車をかけています。

日本も、エンゲル係数が歴史的レベルに高騰しています。
生活費の中で、食費の割合がどんどん高まっています。
これまで飽食をむさぼり、それを当たり前に思ってしまった日本には、まだ実感は薄いかもしれませんが、食料問題や農業問題は他人事ではありません。

世界では、先進国も途上国も、食料問題を重視しているにもかかわらず、日本だけ突出して食料問題を軽視しているように感じます。
毎回選挙では、農業問題も話題になりますが、選挙が終わるといったい何がどうなったのか?
社会全体的に、農業や農業者に対するリスペクトが足りないように感じます。
そのツケは、結局消費者が負担することになります。
既に、農作物の価格高騰や不足など、過去のツケを支払う状態になりつつあります。

農業者にとっては、自然環境は大変厳しいのですが、マーケット的にはチャンスがどんどん広がっています。
これまで農作物の価格決定権は圧倒的に流通(買い手)主導でした。
それはモノ余り時代だったからです。
しかし、農作物は急速に足りない時代に移行しています。
価格決定権は、まだまだではありますが、徐々に流通サイドから生産者サイドに移行してきています。
安値を押しつける流通業者(買い手)は、これからは仕入は難しいでしょう。
このあたりは、既にコメ問題で明らかになっています。

農業者にとって、栽培作物と販路の見直しが、今後の大きなポイントになります。
この激しく不安定な気候変動の中で何を作るのか。
環境が変わっているのですから、農家特有の、先祖代々同じ地域で同じ品目を作り続ける
という感覚は、いったいリセットしたほうが良いでしょう。
また、過去のしがらみから解放されて、適正価格で買ってくれる流通事業者(買い手)に販路を変えることでしょう。

そんな中、ほんの例えばのお話しですが。
僕が推奨する栽培作物のひとつはゴマです。
元々ゴマはアフリカなどで育ったもので、強烈な暑さや水不足にも負けない特徴があります。
ゴマでおなかいっぱいにはならないとは思いますが、栄養効果は抜群です。
存在感は一見地味かもしれませんが、ちょっとした料理にゴマがあるかなかで、風味や食の豊かさは大きく異なります。
国産ゴマは引く手あまたで、高値で売れます。
コロナ前までですが、僕自身数年間、自らゴマの試験栽培をやっていましたので、自信を持っておすすめできます。
詳しい栽培方法を知りたい方は、個別に僕宛にご連絡ください。

もちろん、ゴマ以外にも、様々な選択肢があるでしょう。
世界的に、様々な品目の産地が北上していますから、いままで栽培していなかった南国産の作物を取り入れることも選択肢です。
いずれにしろ、過去とは自然環境が大きく異なる、あるいは大きく変動する可能性があるということを前提に、それに耐性のある選択肢が必要です。

農業の発展は、脱炭素化にもつながる可能性があります。
もちろん、やり方にもよりますが。
農業と脱炭素化の両立こそ、僕はもちろんですが、みんなにとって必要なことではないでしょうか。