8月3日 Vol.2301 「出張雑感」
いままた東北出張中ですが。
一昨日、東京を出発する時は、光化学スモッグ注意報が発表れていました。
高いところから見た東京は、明らかに白いモヤがかかっていました。
光化学スモッグとは、昭和の高度経済成長時代の遺物だと思っている人も多いのではないでしょうか。
宮城や岩手では大雨が続き、東北自動車道は、北上(岩手)で通行止めになり、僕も迂回をすることになりました。
青森に着きましたら、昨日の南部地域での日中の気温は21度でした。
一方で報道では、大阪など各地でも大雨が発生していると。
熊本では、気温が40度を超えました、心が痛みます。
もはや、なにが普通なのか、なにが平年通りなのか、わからなくなってきました。
そんな中、昨日も青森の農業関係者と、新たな農業強靭化策に向けて打ち合わせをしていました。
答えのひとつは、過去の延長でこれまで通り続けても、限界が見えているということです。
高齢化と担い手不足は顕著になっており、耕作放棄地は増え、結果として生産量が落ちています。
これまでの業界常識から脱却し、新たなモデルを構築する必要があります。
昨日の青森は、寒いくらいでしたが、しかしやはり青森も温暖化であることは間違いありません。
僕が子供の頃(40~50年前)は、東北はヤマセ(冷たく湿った北東の風)や冷害が珍しくありませんでしたが、そのような時代とは様変わりです。
気温の上昇は、農作物の選定や栽培方法に影響を及ぼします。
これまでの特産物に過度に依存するのではなく、かつてでは考えられないドラスチックな転換も必要です。
南部地区の特産物のひとつである長イモは、種イモが軒並みイノシシに食べられてどうしようもないと。
獣害も深刻度を増すばかりですから、獣が好まない作物に転換することも選択肢です。
例えば、アリシンや刺激の強い、ニンニク・ニラ・ショウガ・トウガラシなどが候補になります。
何を作るにしろ、販売面は、以前より楽になったと言っては語弊がありますが、しかしハードルは下がってきました。
モノが足りなくなってきているのですから。
以前は、販売面が最大の課題だったかもしれませんが、いまは人員確保・温暖化対策・獣害対策が最優先かもしれません。
また、これまで個々で取り組んできた農業も、組織化・グループ化していくことが不可避です。
改めて、何を作るか、多種多様な品目選定、圃場の効率的ローテーション、と言ったポートフォリオ戦略を明確にし、圃場や農機等生産資産の回転率を上げ、またリスク分散を図ることが必要です。
もちろん、スマート農業の考え方も大事ですが、過大投資(不採算事業)にならないように。
新たな取り組みとして、脱炭素化ソリューションを組み入れることも、最近は抵抗がなくなってきたようです。
少なくとも会話上は、バイオ炭を圃場に施用するという考え方は当たり前になってきました。
実際の実務には、バイオ炭の製造や調達など、課題もありますが。
チリも積もれば山になると言いますが、バイオ炭も、ひとつひとつは超微細な粉ですが、みんなで取り組めば、非常に大きなCO2削減(貯留)効果があります。
日本の圃場(農地)は約400万ヘクタール強、仮に1ヘクタール当たり1tのバイオ炭を施用したとすると、400万t以上のCO2削減(貯留)効果があります。
これは決して小さな数字ではなく、また実現可能なシナリオです。
千里の道も一歩から。
ひとつひとつは、本当に地道な作業ですが、やるとやらないとでは大違いです。
もちろん、これらには、採算や収支という観点も忘れてはいけません。

