7月15日 Vol.2296 「東北出張」
この数日もまた東北を回ってまいりました。
各地での話題には、緊張感を再認識させられるものが、多々ありました。
昨今、東北に限らずですが、よく話題になるのが、後継者不足であり、事業承継難です。
向こう5~10年の間に、農業者の数は半分以下まで減少してしまうというのが、もっぱらの意見です。
各地での集落で、まわりを見まわしてみると、80代前後の方々が多く、どう考えても、向こう5~10年の間に、2人に1人以上は引退しているというのが皆さんの肌感覚です。
猛暑やコストアップ等による採算悪化が、引退に拍車をかけているという側面もあります。
また、農水省からも、それに近い予測が発表されています。
僕自身も、残念ながら、このような予測を否定できません。 このような議論になると、大規模化や機械化でカバーできると主張する人もいますが、そのロジックが破綻していることは、この10~20年の結果を振り返れば明らかです。
このままでは、ますます食料インフレ(価格高騰)が進んでしまいます。
福島では、いまだに東日本大震災による放射能問題が収束していないと話題になっていました。 福島を愛し、福島の価値をもっとも理解している福島県農業関係者でさえ、なかなか福島県産だけでは経営が成り立たないという声があがっています。
八戸では、先般、震度6強の地震がありましたが。
農場では、潅水設備が壊れ、また墓所では墓石が1,000体以上も倒壊してしまったとのことです。
メディアでは報道されていない、厳しい現実が各地で生じています。 その度に、地域農業も地域経済も、衰退が加速していきます。
ごぼうや長芋など、青森県特産の土地利用型農作物も、重量野菜で、高齢生産者向きではないということで、生産量が減少しています。 ごぼうや長芋は、市場価値も味も栄養価も、とても魅力のあるものですが、それでも生産量がどんどん減少しています。
クマをはじめとした、獣害被害もかなり深刻で、TV報道以上のようです。 農業だけではなく、墓参りにも行けないなど、日々の生活にも悪影響が広がっています。
一方で、仙台では、このわずか10年程度で、セリが稼ぎ頭に伸びてきました。
東北出身の僕にとっては、昔からセリは鍋などには定番かつ必須のものでしたが、東京ではあまり姿が見えずに残念に思っていました。 セリのように、市場拡大していく作物が増えればと期待していますし、僕自身も努力しなければいけません。
また、東北でも、脱炭素化に対する意識は高まってきているように感じます。
ここのところ、僕への相談案件も増えています。 また7月末から数日、東北巡業で打ち合わせを進めることになっています。
東北も、確かに夏は暑くなりました。
気温35度以上と言われても驚かなくなりました。
それでも、夜温の低下などを考えれば、まだまだ農業には恵まれていると言えるかもしれません。 西日本の農業関連者から、これまで手薄であった東北に拠点を設けたいという相談も増えています。
課題が山積であることは百も承知ですが。
しかし、希望の芽が無いわけではありません。 今回の東北出張の目的のひとつは、八戸市役所さんが主宰する「農業アカデミー」での講演でした。
意欲のある若手農業者の皆さんが、目を輝かせて、僕のつたない話を聞いてくださいました。

